組合員 買取 / 仕入ればなし

 本日の入札市(交換会)で、「川内康範」著作献呈署名入り6冊一括一本を落札する。

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 川内康範といえば、森進一の「おふくろさん事件」が記憶に残る。この一件で、康範氏が「月光仮面」の原作、脚本家であったことを知る。

 使い古した風呂敷を首に巻き、手ぬぐいで顔を覆って、駄菓子やのセルロイドめがね。気分はすっかりヒーローだ。拾った木っ端の二挺拳銃を持った子供たちがいつも回りに3・4人はいた。ヒーローどうしの撃ち合い殺し合いの毎日であった。
 
 「どーこの誰かは知いらなあいがあー  どーこの誰あれでえも知いってえいるうー」
あたりまえのようにそらんじて歌っていたが、今みれば、易しい言葉でつづられた誰もが思いつきそうな、しかし誰もが到達出来ぬ、最初の2行で子供たちの心をわしづかみしたものすごい歌であったことに気づかされる。

 終戦後、特攻隊の戯曲を上演、GHQに拘束される。
 機動隊の応援歌をつくり、稲川会の歌も手がける。
 佐藤栄作等の歴代総理の顧問をやり、「骨まで愛して」「花と蝶」「伊勢崎町ブルース」などのヒット曲を連発。
 
 落札品の「川内康範詩集  燌思経」に釘づけになる。歌謡曲詩集かと思ったが、違ったのだ。

 傷つきたい奴は傷つけばいい  死にたい奴は死ねばいい  その覚悟があれば見事にやってみろ
「孤絶の毒」はこの2行からはじまる。

 「反逆」      影は黒  形影相抱くという  白の分身。  白と黒は一つだという  この世のならわしに  僕はもう一つの    赤い影をさがす。

 このへんの詩は序の口である。竹下登や田中角栄を詩にする詩人に出会ったことがなかった。女の歌から母を失うパレスチナの少年、サラ金からアメリカ、中国、韓国のいざこざ、よだれから観音様まで・・・・

 どこからどこまでが頭なのか  どこからどこまで尻尾なのか  正体不明の生き物があるとすれば  それはすなわちわたしのことだ。
「よだれ」の書き出し。

 入札市のある日は仕事にならないねえ。

                                                                            藤沢湘南堂書店

蒸しますね~。
変な汗が止まらない香博堂オンラインです。
本日は、いつも私のブログを見てくださっている方からご連絡をいただきまして、古書市場での仕入れの後、食事も忘れてダッシュでお客様のところに買取にうかがわせていただきました。
ご自宅と倉庫に品物を保管されているとの事で、すべての査定が終わったのが19時すぎとなってしまいました。
私の車では一回で運搬するのは難しい数量となってしまい、詰めるだけの荷物を車に乗せて、残りは来週の引き取りとさせていただき、急ぎ古書会館にトンボ返り。
とりあえず車に乗せた分は組合に降ろすことができ、ほっと一息。
写真は今日の仕入れの一部の写真。
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この本が・・・・・
















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 こんなに!

そりゃ乗用車じゃつらいわな・・・。 

気がつくと時間は22時前。

家では発送準備と出品作業が待っている・・・。

・・・・・・・・・・が・頑張ります!!毎日全力です。だと思います。・・・


香博堂オンラインでは、皆様のご自宅に眠る本の買取をおこなっております。
ご利用の機会がございましたら、こちらの香博堂買取ページからお願いします。


 

 神奈川古書組合の交換会入札市は、毎週月曜日に開催されている。

 昨日の入札市は惨たんたる結果であった。これはと思うものが何ひとつ落札できなかったのだ。
 入札の最大の敵は入札する同業者ではない。「Amazon」と「日本の古本屋」と貧乏だ。ネット通販サイトの最低価格が入札の足を引っ張り、貧乏神が強気と気力と胆力の闘争心をそぎ落とすのだ。

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 入札会場にこの一口が出品されていた。新聞社の無料配布の複製浮世絵、富士山の写真集、宇宙飛行士たちのドキュメント写真集などの山。 
その中でひときわ目を引く黄色の背表紙の一冊がこれ。
  
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 この一冊が欲しいが為、ほかのものも、しかたなく値踏みしていく。 
 「これとこれを売って元か」「この一冊を抜いて、残りを市場に売り戻していくらのもどりか」「この一冊があれば、売り場に明かりがさすな」などの思いが瞬時に頭を駆け巡る 。


 平成7年刊 「戦中戦後 紙芝居集成」、アサヒグラフ別冊、A4版変形、338ページ ・・・子供たちの娯楽そして社交場

 電信柱の影から、子供たちの背で見えぬ紙芝居を見ていたことがよみがえる。この一冊で、当時見たことのないものまでが、今手に入る。 
町内に響き渡る拍子木の音と呼び込みの声、駄菓子に群がる子供たちの笑顔の背中、にわかにヒーローと化すおじさんの一人芝居と見えぬ絵・・・

 店頭の紙芝居たちの横にそっとこの一冊を置く。
 いつまでも売れない紙芝居たち。売れなくても幸せを運んでくれる一冊。
 いつも申し訳なさそうな紙芝居たちがこころなしか喜んでいるように映る。
  
 付記
 いっしょに紛れ込んでいた富士山の写真集が、献呈ではあるが墨筆、落款入りの署名本であった。やった、これで元だ。すっかり売れた気になった一瞬であった。

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                                                                                                          H27/07/14             藤沢湘南堂書店
 

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